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【おそ松さん】落語で楽しむおそ松さん。春風亭吉好「落語松CD2」感想

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落語松をご存じでしょうか?
「ヲタク落語家」こと春風亭吉好さんによる「おそ松さん」をテーマにした二次創作落語です。
(↓全国各地で予定されてます!)


ずっと気になっていたのですが、先月ようやく深川江戸資料館にて聴くことができました。
こんな世界があったのかとものすごい衝撃で・・・また足を運ぶ予定です。



行きたいけど会場が遠くて行けないよ~、スケジュールが合わないよ~という方に全力でおススメしたいのが、この落語松CD!!!(デデン)

このCDにはこれまでの演目が3席ずつ入ってます。
1には「ツンデレ指南~松バージョン~」「赤塚社長」「湯屋松」。
2には「寿限松」「面接松」「イヤミ裁き」。
落語と松、両方知ってる人は演目見ただけでニヤリとするかもしれません。

会場以外では、最近だと夏コミ、大阪家宝で頒布されたらしいこのCDたち。
落語松CD2の面白さをなるべくネタバレしないように語ります。

\落語松はいいぞ/

 

 

 

 


1.「寿限松」

皆さんご存知の古典落語寿限無」をベースにした松落語。

最後井戸に落っこちちゃうこともなく、平和な笑い話なので安心して聞けます。

 

~おそ松がある人から預かった赤ん坊、その子の名前が分からなくて・・・~

 

チョロ松「ちなみにこの子、名前はなんていうの」

おそ松「あっ、そういえばそれも聞いてなかったなぁ。まぁいいや適当にさぁほら、寿限無寿限無で」
チョロ松「んな落語じゃあるまいし・・・」

おそ松とチョロ松のそんなやりとりから始まった赤ん坊の名づけ大作戦。
寿限無では縁起のいい名前をひたすらつなげていきましたが、この六つ子たちは各人思い思いの好きなものをつなげていくわけです。
あれよあれよという間に赤ん坊の名前はどんどん長くなって、、、というお話。

この噺では吉好さんが6人(+α)を演じ分けるのですが、そのどれもが『○○松っぽい!』と完成度高くて驚くばかり。
声が似ているのかと聞かれれば、吉好さん本人も仰っているようにそういう訳ではないのですが、声色と喋りのクセが憑依レベルで似てるんですよね~、これはさすが1人で何人もの登場人物を演じ分ける落語家さんといったところ。

 

とーくーにー、カラ松とトド松の材木組が、凄かった。
全力で『カッコいい…俺』をやっているカラ松、全ての言葉の語尾に「・・・!」という文字が見える見える。タメた語り口調だけではなく、ふいに素が見えるところも含めてまさにカラ松本人でした。


一方のトド松は『カワイイ僕』にステ全振りしていて あざとーい丸い声がとってもかわいい♡
これCDだから当然声だけしか分からないんですけど、きっと寄席会場で見ていたら身振り手振りも併せて100%トド松だったんだろうなぁと容易に想像できます。
後半にトッティのドライモンスターっぷりがありありと分かる部分があるので、ぜひ聞いてほしいところ。

 


もちろんこの2人だけではなくて、他の4人の松もそれぞれ"らしさ"が出ていて楽しいです。
ちなみにチョロ松の場合、ネタバレを恐れるまでもなく彼の好きなものは「ニャーちゃん」「トトコちゃん」なので赤ん坊にもそれをつけるわけですが、彼女らの名前を呼ぶときの声の浮つき具合は必聴です。童貞ボイスです。(?)
元ネタも有名で分かりやすいし、『落語松聞きたいんだけどどれから聞いたらいいかな?』と聞かれたら、迷わずこれを薦めます!

 

 

 




2.「面接松」
ご想像のとおりアニメ本編15話「面接」がベースにある噺です。(あとは2話「就職しよう」ですね)
アニメでは『チョロ松面接官のところに十四松が面接を受けにきた』というネタでしたが、こちらでは『あつし面接官のところに○○松が面接を受けにきた』となってます。

登場するのはチョロ松、一松、十四松の345組。

チョロ松、一松、十四松。

ご想像のとおり、三者三様色々な意味でぶっ飛んでます。

 

三男、淀みなく喋るライジングチョロ松さん

四男、なんで面接受けに来た一松さん!?

五男、お願いだから止まってください十四松さん!!!!

 

・・・あつしくん、お疲れさま。

 

「寿限松」のときは吉好さんのカラ松がすごい!って書きましたが、面接松ではとにかく十四松。十四松が十四松としてそこにいる!CDの中に!!!

全ての言動が予測不能、あの「どこを見ているのか分からない目」で見つめられている感覚になります。もちろん口はパカーと開いたまま。

あつし「無言の笑顔やめてください怖い怖い!」

 

 

面接官あつしと応募者の松、1対1のやりとりを繰り返す噺ですが、会話のスピード感が3人とも違って、聞いていて飽きないんですわ。

立て板に水とはかくや、というレベルでペラペラ喋るチョロ松から始まり、じっとり「・・・」な一松が終わったと思ったら、ラスボス十四松ですからね。

十四松の面接部分は、2人の会話(※)というよりも、あつしくんがひたすら翻弄されるさまが面白くて面白くて。(※そもそも会話にならない)

テンポよくやりとりをし、かつ、瞬時に2人に声色を切り替える、それをスムーズにやってみせる吉好さんには流石!の一言です。

 

吉好さんの趣味もあり、ほんのり あつ→トド 風味に仕上がっている噺なので、そこに注目するのも面白いです。

 

 

 

 

3.「イヤミ裁き」

元ネタは古典落語の「天狗裁き」、これは割と元ネタ通りですね。

話は、気持ちよさそうに昼寝をしているおそ松と、それを見ているトト子ちゃん、この2人のやりとりからスタート。

ニヤニヤ笑ったり、ぶつぶつ喋ったりしながら鼻ちょうちんを膨らませてグーグー眠るおそ松を見て、『よっぽど面白い夢でも見てるのかしら・・・』と気になったトト子ちゃんは みぞおちに一発入れて 揺り起こして問いかけます。

トト子「どんな夢見てたの?」

おそ松「え?夢見てた?夢なんか見てないよ」

 

そこから始まる「酷い、トト子に隠し事するの!?」「夢なんか見てない!」の押し問答。

おそ松は「見ていないから喋れない」と必死に訴えるものの、そんな証明なんてできるわけもなく、夫婦喧嘩・・・という名のトト子によるフルボッコパーティが開催されるのでした。

 

トト子ちゃんの後は、チビ太、デカパン博士(+ダヨーン)、ハタ坊、イヤミ・・・という面々が次々出てきます、松野おそ松&おそ松さんサブキャラオールスターズ!って感じでとても賑やか!

天狗裁き」→「イヤミ裁き」から察せられる通り、イヤミが天狗役なんですが、もーーこの『おフランス帰りの天狗』っていうパワーワード痺れますわ。もともとあった胡散臭さがさらに色濃くなって真っ黒になっている。(吉好さんのイヤミは、声色がだいぶ本家に似ていると思うので、ぜひとも一度聞いてみてほしい)

アニメ見てた人ならニヤリとする小ネタもちょこちょこあって、30分近い長めの噺なのですが結構あっという間でした。身振り手振り付きで楽しみたいので、次は落語松公演で見てみたいな、と。

 

 

 

以上、落語松CD2の感想でした。

気になった方はCD1と合わせて吉好さんのところでチェックしてみてください、落語くらぶというサイトで通販もやってるみたいです。

落語くらぶ - 春風亭吉好 落語松CD1

落語くらぶ - 春風亭吉好 落語松2

 

 


最後に、なぞかけをひとつ。


落語松CDとかけて、旗揚げ準備中の劇団と解きます。

そのこころは「三枚目がほしい」。

 


落語松CD3、お待ちしてます。
おそまつさまでした!